テレビ東京系『タクうま~タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって!~』が放送した特別企画「望郷タクシー」で、MCの吉村崇と3時のヒロインは東京・新小岩から1台のタクシーに乗り込んだ。運転手は佐賀県出身の76歳で、以前にも同番組へ出演した経験があった。新小岩の路肩で「一生に一度、もう一度味わいたい」と話したのは、佐賀県唐津市の呼子イカである。スタッフがその場で故郷へ戻ることを提案すると、運転手はスケジュールを確認して承諾した。
東京から六甲アイランドまで約530キロ、最初の運賃は21万760円
新小岩を出たタクシーは高速道路に入り、まず兵庫県神戸市の六甲アイランドへ向かった。この区間は約530キロ。吉村崇と3時のヒロインは当初こそ長距離移動の非日常感に声を上げていたが、メーターの数字が増えるたびに車内の話題は運賃へ移っていった。六甲アイランド到着時点でタクシーの運賃は21万760円に達した。旅はまだ半分にも満たない。
フェリーではメーター停止、新門司港から唐津まで約170キロ
六甲アイランドから福岡県の新門司港まではフェリーに乗船した。長距離移動の要点はここで、船内ではタクシーの運賃計算が一時停止する。一行はデッキに出て瀬戸内の島影を眺め、運転手は佐賀の話を続けた。

新門司港で下船すると、タクシーは再び走行を開始した。終着地の佐賀県唐津市までは約170キロで、福岡の市街地を抜けると海岸線が車窓に増えていく。
唐津の海底レストラン「萬坊」で呼子イカを食べる
運転手が「どうしても行きたい」と話していた店は、唐津市の海底レストラン「萬坊」だった。窓の向こうに海が広がる店内で、76歳の運転手は呼子イカを注文した。噛むたびに歯ごたえと甘みが広がるイカを、運転手はほとんど言葉を挟まずに食べ続けた。新門司港から萬坊までの追加運賃は6万7690円。東京・新小岩から合計27万8450円となり、番組史上最高額を更新した。スタジオでこの金額を見た3時のヒロイン・福田麻貴は「この料金ならヨーロッパまでタクシーで行ける」と声を上げ、共演者も言葉を失った。
「望郷タクシー」は、普段は乗客に店を紹介する運転手が、今回は自分の目的地へ乗客を連れていく反転構造だった。東京・新小岩から佐賀県唐津市まで約1200キロをタクシーとフェリーでつなぎ、27万8450円をかけて呼子イカにたどり着いた。次回以降も同じ企画が放送されるなら、これだけの距離と運賃を超える運転手が現れるかどうかは、その人が目的地の味をどこまで具体的に語れるかにかかっている。