朝日生命、今年度中間決算で「逆ざや」をついに解消 2000年以降初

朝日生命は ▽1990年前後のバブル期に

朝日生命 今年度の中間決算で“逆ざや”解消 2000年以降では初

バブル期の6%商品が生んだ逆ざや

1990年代のバブル期、朝日生命は約6%の利回りを契約者に約束する保険商品を販売した。約束した利回りを実際の運用成績が下回る状態を逆ざやと呼ぶ。バブル崩壊後に株価の低迷が続くと、この約6%を確保できず、逆ざやが常態化した。

2000年以降、生命保険会社に決算情報の開示が求められるようになると、朝日生命の逆ざやは各期の決算資料に記載され続けた。2000年以降では今回の中間決算まで解消されなかった。

中間決算で逆ざやが消えた

今年度第2四半期(4月~9月)の中間決算で、朝日生命は約20年ぶりに逆ざやを解消し、運用成績が約束利回りを上回る順ざやへ転じた。逆ざや解消による改善額は約4億円だった。

朝日生命の小野貴裕常務は、決算について「資産運用の改善施策が実を結び、特に現行の金利上昇局面が順ざや拡大を後押ししている」と述べた。そのうえで「この好機を活かして会社の持続的成長を追求していく」と話した。朝日生命の経営イメージ

金利上昇と株価回復が要因

逆ざや解消の背景には、国内金利の上昇がある。新規に運用する資産の利回りが改善し、過去の高利回り契約との差が縮小した。株式相場の回復も運用収益を押し上げた。朝日生命は資産運用体制の見直しを進めており、その時期に外部要因の変化が重なった。

ただし、同業他社は2010年代から逆ざやの圧縮や解消を順次進めてきた。朝日生命は株価回復と金利好転という条件がそろうまで、この課題を抱えていたことになる。

収益源育成と契約者価値向上策

逆ざや解消は決算上の負担が一つ消えたことを意味する。一方で、金利上昇と株価回復という外部要因に支えられた面が強いため、運用環境が再び悪化すれば収益の下振れ余地は残る。

小野常務が「資産運用の改善施策が実を結び」と説明した点は、市場環境だけではないという認識を示す。今後は金利動向に左右されにくい収益源の育成と、契約者向けの価値向上策をどこまで具体化できるかが焦点になる。

次の中間期以降は、金利低下局面でも逆ざやが再発しないかを確認することになる。