高校生世代の扶養控除・住宅ローン減税が焦点 令和8年度税制改正は現役世代の家計に直結

令和8年度税制改正に向けては、さまざまなテーマが存在する。このうち現役世代の暮らしに大きく関わる税目では、高校生年代の扶養控除縮小の見直しや、子育て世帯などの住宅ローン減税延長の是非が議論される見通しだ。高市早苗政権の大方針である「責任あ…

高校生世代の扶養控除と住宅ローン減税——令和8年度税制改正が現役世代の暮らしを左右する

令和8年度の税制改正論議では、16歳から18歳の高校生世代を扶養する世帯の控除縮小と、子育て中の住宅取得を支える住宅ローン減税の延長が同時に浮上している。所得税の扶養控除は38万円、住民税は33万円で、これまで課税対象額を圧縮してきた。住宅ローン減税には控除率0.7%という枠があり、借入限度額に応じて控除期間は最長13年または10年となる。この二つは同じ子育て支援という文脈にありながら、家計には逆方向の力として作用する。

税制改正イメージ

児童手当の拡大と引き換えに縮む16~18歳扶養控除

児童手当の支給対象年齢が高校生世代まで拡大されたことに伴い、令和9年度以降に扶養控除の見直しが実施される見込みとなった。所得税38万円、住民税33万円という控除枠は、高校生のいる世帯の課税所得を減らす役割を果たしてきた。手当が入る代わりに控除が削られれば、実質的な増税に変わる。

この変化を単純な相殺と見ることはできない。児童手当は定期的に振り込まれる現金給付であり、扶養控除は年末調整や確定申告を通じて戻る税制措置だ。昨年度から続く手取り収入の減少への懸念があり、最終結論は今年度中に持ち越されている。

控除の縮小幅は正式に決まっていないが、所得税38万円、住民税33万円の控除が全面廃止された場合、税率に応じて年間数万円単位の負担増が生じる。16歳から18歳の子を扶養する世帯にとって、その金額は修学旅行の積立金や部活動の遠征費に重なる可能性がある。

住宅ローン減税の延長条件——控除率0.7%と期間の行方

住宅ローン減税の現行制度は、控除率0.7%を基本とし、借入限度額に応じた控除期間が最長13年または10年となっている。延長の具体的な条件、すなわち控除額の上限、期間の維持、子育て世帯への上乗せ措置の継続は、年末の与党税制改正大綱を待たなければ確定しない。審議が慎重に進められている背景には、財源を睨みながら制度の圧縮や対象の絞り込みを検討する財政当局の姿勢がある。

住宅取得を検討している世帯にとって、控除率0.7%が維持されるのか、最長13年または10年という期間が延びるのか縮むのか、子育て世帯向けの上乗せが続くのかは、計画を左右する。消費税と住宅ローン金利の変動リスクに減税条件の変更が重なれば、取得の判断そのものを揺るがす要因になり得る。

手取り減少の懸念と社会保障充実の掛け声——矛盾は現場に降りる

扶養控除の縮小と住宅ローン減税の延長は、どちらも現役世代の可処分所得に影響を与える。16歳から18歳の高校生世代を扶養する控除が縮む半面、住宅ローン減税が延長されても中身が圧縮されれば、家計への正味の効果は単純な減税にはならない。給付と負担の一体設計という言葉は抽象的に響くが、どの世帯にいくら影響が出るのかを数字で示す議論はまだ十分ではない。

児童手当が拡大されたから扶養控除を縮小するという論理は一見明快だが、手当と控除では家計に与える実感が異なる。給付金が振り込まれても、その分だけ年末の還付が減れば、年間を通じた手取りの感覚は変わる。住宅ローン減税も、延長決定後に控除率0.7%や最長13年または10年の期間が縮小されれば、減税の看板を掛け替えただけになりかねない。

年末大綱で決まる数字

年末の与党税制改正大綱では、16歳から18歳の子どもを扶養する世帯の控除縮小幅と、住宅ローン減税の延長条件が数値として示される。それを見て初めて、各世帯の負担増と軽減幅が確定する。