21日の東京株式市場で、日経平均株価は午前の取引開始直後に前日比1200円を超える下落となった。午前終値は1170円14銭安の4万8653円80銭。先週から続く米国市場の不安定な地合いが寄り付きから指数を押し下げた。

売りの中心は半導体関連だった。前日の米国市場でエヌビディアは好調な決算を発表し、取引開始直後には買いが先行したが、買い一巡後に主要株価指数はそろって下落に転じた。決算そのものより、人工知能関連に積み上がっていた資金の偏りが売りを誘った形だ。
エヌビディア決算が東京の半導体株を圧迫
エヌビディアの決算内容が弱かったわけではない。発表直後には買いが先行した。それでも米主要株価指数が下落へ転じたことで、東京市場では半導体検査装置のアドバンテストが大幅安となり、他の人工知能関連銘柄にも売りが広がった。
好決算にもかかわらず関連株が売られる展開は、業績への評価以上に、人工知能分野へ集中した資金の偏りが意識されたことを示す。日経平均の1200円超安は、値がさの半導体銘柄が指数を大きく押し下げた結果だ。
TOPIXは一時プラス圏、プライム市場の約8割が上昇
日経平均が大きく下げる一方で、東証株価指数(TOPIX)は一時プラス圏に浮上する場面があった。不動産株に買いが入り、円安を追い風に自動車株も堅調だった。
プライム市場全体では約8割の銘柄が値上がりし、指数の下落が半導体の値がさ株に偏っていたことが浮き彫りになった。投資家が一斉にリスクを避けたのではなく、人工知能関連から内需や輸出関連へ資金を移している可能性が高い。
米国市場の方向感が定まらないなかで、東京市場は指数と個別銘柄の動きが分かれる展開になっている。半導体関連への売り圧力が断続的に続けば、内需株や自動車株がどこまで指数を下支えするかが焦点になる。
次に確認したい米国市場の評価と日本の受注動向
今後は米国市場がエヌビディア決算の評価をどのように確定させるか、週明けに発表される日本の半導体関連企業の受注動向が注目材料となる。プライム市場の約8割が上昇した21日の値動きは、資金の移動先が消えたわけではないことを示しているが、指数全体を支え続けるには内需株の持続力が問われる。