日本相撲協会は1日、元小結の遠藤聖大(35歳、石川県出身、追手風部屋所属)が現役を引退し、年寄「北陣」を襲名すると発表した。遠藤は両膝の手術後、2場所連続で全休し、2024年11月場所(九州場所)の番付は東幕下3枚目まで下がっていた。関取の地位を離れたことが、現役生活を区切る判断につながった。引退後は追手風部屋の親方として後進の指導に当たる。
アマチュア横綱から3場所で新入幕
遠藤は大学時代にアマチュア横綱の称号を得て、2013年春場所に幕下10枚目格付出で初土俵を踏んだ。この場所を6勝1敗で終え、続く夏場所は東幕下筆頭で5勝2敗。翌名古屋場所で十両に上がり、2013年秋場所に新入幕を果たした。幕下付出での初土俵から新入幕までは3場所で、三段目は通過していない。
幕下と十両では、前に出る押しと低い姿勢からのいなしを組み合わせ、相手に十分な体勢を作らせない立ち合いが続いた。相手の踏み込みを先に止める取り口だった。

幕内69場所の成績
幕内在位は69場所。三賞は殊勲賞1回、敢闘賞1回、技能賞4回の計6回で、金星は7個だった。通算成績は527勝494敗88休。勝ち越しと負け越しの差は33勝で、幕内では勝率5割前後で推移していた。
技能賞の4回は、突き押しから相��の懐に潜り込む動きと、土俵際での粘りに対する評価が繰り返された。これらの動きは決まり手一覧だけでは見えにくいが、技能賞の選考理由では繰り返し名前が挙がった。
両膝の手術と番付降下
遠藤は両膝の手術を経て、出場が難しい状態にあった。2場所連続で全休した結果、2024年11月場所(九州場所)の番付は東幕下3枚目まで下がり、関取の地位から離れた。この長期離脱が現役を断念する直接の理由になった。
低い立ち合いから前に出る押し相撲は膝関節への負荷が大きく、幕内で69場所を重ねた蓄積が休場前の動きに出た。立ち合いの鋭さが鈍り、押し込まれたときに膝でこらえる場面も減っていた。伊勢ヶ濱審判部長は協会発表の中で、膝の状態を「回復に時間を要する」と説明している。
年寄「北陣」襲名後の指導
遠藤は引退と同時に年寄「北陣」を襲名し、追手風部屋に所属したまま親方として活動する。追手風部屋には複数の現役関取がおり、幕内や十両の力士を直接指導する立場に入る。
自身の幕内69場所に加え、アマチュア横綱から大相撲入りした経歴がある。両膝の手術と長期休場も経験しており、若手力士の状態管理や再発防止の助言に、その経過を具体的に使える。
部屋ではすでに幕内経験者を含む力士が稽古を重ねており、指導の分担や担当番付をどう組むかがこれから決まる。