地方経済の先行きに危機感、地銀再編の動き活発化…東北3行が生き残りへ統合協議
青森みちのく銀行を傘下に持つプロクレアホールディングス、岩手銀行、秋田銀行は2日、盛岡市内で記者会見を開き、経営統合に向けた協議開始を発表した。岩手銀行の岩山徹頭取は、3県の人口減少が全国平均を上回るペースで進んでいることに触れ、「事業所数の減少など地域経済に及ぼす影響が一層拡大することが懸念されている」と述べた。
3行を取り巻く預金環境
預金減る
都道府県単位の営業地域を中心とする地銀では、人口減少や少子高齢化で働き手と企業が減り、住宅ローンや企業向け融資の貸し出しが縮む。日本銀行が発表した「貸出・預金動向」によると、8月の平均預金残高は都市銀行が前年同月比2.7%増だったのに対し、地銀は0.9%増にとどまった。
パソコンやスマートフォンを使うメガバンクやネット銀行との預金獲得競争も激しくなっている。関係者によると、親から子どもへの相続を機に、親が地銀に預けていた金融資産がメガバンクやネット銀行に流出するケースも多いという。
再編加速
県境を越える統合
政府は2018年に「地域金融の課題と競争のあり方」と題したリポートをまとめ、1行単独では不採算になる都道府県が23存在すると指摘した。その後、都道府県の境を越えた再編が増え、しずおかフィナンシャルグループと名古屋銀行は3月、2028年4月をめどに経営統合すると発表した。
群馬銀行と第四北越フィナンシャルグループ���2027年4月をめどに経営統合を予定している。一方、SBIホールディングスは「第4のメガバンク構想」を掲げ、傘下のSBI新生銀行を中核に、東北銀行、仙台銀行、福島銀行などと資本・業務面で関係を深めている。
統合の難点
あいちフィナンシャルグループと三十三フィナンシャルグループは5月に統合で基本合意したが、持ち株会社の運営方針などで折り合わず、9月に破談となった。地銀関係者は「統合準備の中で、どちらが主導権を握るのかでもめていた」と明かす。
本店機能や経営の主導権に加え、人員、店舗、システムなど調整事項は多い。日本総合研究所の大嶋秀雄上席主任研究員は、シナジーが不明確だと統合コストや負担が大きく感じられやすいと述べ、各行の強みを生かした再編の具体的なメリットを示すよう求めている。
あいちフィナンシャルグループと三十三フィナンシャルグループは5月の基本合意から9月の破談まで約4か月だった。プロクレアホールディングス、岩手銀行、秋田銀行の協議でも、本店機能や経営の主導権、システム統合の扱いが最初の焦点になる。