日本相撲協会は九州場所千秋楽に、東横綱・大の里の休場を発表した。診断名は左肩鎖関節脱臼で、約一か月の安静治療が必要という。十四日目を終えて十一勝三敗で単独首位に立っていた大の里が休場し、千秋楽で予定されていた横綱同士の直接対決は行われないことになった。もう一人の横綱・豊昇龍が不戦勝で白星を得る。

負傷の起点は十三日目の安青錦戦
左肩鎖関節への負担
二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)の説明によれば、大の里が左肩を傷めたのは十三日目の安青錦戦である。肩鎖関節は腕を上げる、差す、絞るといった動作に直接関わる。脱臼した状態では外力を受け止めるたびに関節が不安定になり、突き押しと右四つを主体とする大の里には取組の組み立てを変える故障となる。痛みの有無だけでなく、可動域と安定性の不足が千秋楽出場を難しくした。
休場届が優勝争いを決めた
十四日目時点では大の里が十一勝三敗、豊昇龍が十勝四敗で追っていた。千秋楽は本来、両横綱の直接対決が予定されていたが、大の里の休場届を受けて豊昇龍は土俵に上がらず不戦勝となる。これにより豊昇龍は五場所ぶり三度目の賜杯へ大きく前進した。さらに大関・琴桜が安青錦に勝利したことで、優勝争いはほぼ大勢が決まった。
初の休場と師匠の判断
大の里が本場所の取組を休場するのは、夏場所で初土俵を踏んで以来今回が初めてとなる。順調に番付を上げ、二場所連続優勝を含む年間四度の制覇を記録してきた力士にとって、珍しい離脱だ。二所ノ関親方は「今朝、稽古場で軽く動かしてみたが、本人と相談して無理をさせないことにした」と述べた。出場を見越して朝の調整を試したものの、肩の状態がそれを許さなかった。
冬巡業を欠場、約一か月の安静
医師からは約一か月の安静治療が必要とされ、二所ノ関親方は三十日から始まる冬巡業への大の里の参加を見送る意向を明らかにした。四股や摺り足などの基本運動でも肩関節には振動と衝撃が続くため、巡業中の稽古は避ける。このタイムラインでは、患部が安定してくるのは十二月中旬以降になる。
復帰への条件
大の里が次に土俵へ上がるためには、固定が解かれた後の肩関節の可動域を確認し、そこから十五日間に耐えるだけの稽古量を積めるかが問われる。初場所を目標に据えるにしても、出場可否の判断は実戦稽古の再開後になる。