政府 ラピダスに1000億円出資へ 追加支援で1兆円規模の計画も
経済産業省は、先端半導体の量産を目指すラピダスに対し、2025年度の年間出資額を1000億円とする正式決定を行った。国が単年度で一私企業に投じる金額としては大きく、まずこの1000億円が2025年度の出資枠として確定する。
政府は同時に、2026年度に1500億円以上、2027年度までに総額約9300億円の追加支援を計画している。これにより政府全体の半導体関連投資は約2兆9000億円に達する見通しだ。ラピダスはこの資金を段階的な量産体制の整備に充て、2031年度の株式公開を目指す。

「黄金株」が政府に与える拒否権
黄金株とは、経営上の重要事項に対して政府が拒否権を持つ仕組みを指す。今回の出資条件として付帯され、安全保障の観点から高度技術の流出を防ぎ、国家戦略の遂行を担保する。政府の関与が深まるほど、ラピダスの経営判断の自由度は削られ、機動的な事業運営や迅速な意思決定には制約がかかる。

2027年度までの約9300億円と2031年度上場の関係
ラピダスは2027年度までに総額約9300億円の追加支援を受ける計画で、2031年度の株式公開を目指す。この間の公的資金は量産体制の立ち上げに使われるが、上場を実現するには公的資金が中心の段階から多様な民間資本を取り込む段階へ移行しなければならない。政府出資が続くだけでは、2031年度の上場時に市場が求める株式価値を示す材料にはならない。
2027年度までの支援実行後、民間資本がラピダスに入るかどうかが、2031年度の上場実現を左右する。