侍ジャパン宮崎合宿が本格始動 リリーフ・大勢らがブルペン入り

今月、韓国との強化試合に臨む野球の日本代表の宮崎合宿は2日目を迎え、リリーフの中心として期待される巨人の大勢投手と中日の

ブルペンのマウンドから、捕手のミットが乾いた音を立てた。リリーフ投手の大勢が、宮崎合宿のブルペンで投球練習に入った。この日、大勢は直球とフォークボールを交え、捕手を座らせての本格的な投げ込みを実施した。投球数は計35球。コーチ陣がネット裏から見守る中、リリースポイントの確認に多くの時間を割いていた。

宮崎合宿での投球練習

前回登板で課題に浮上したのはフォークボールの精度だった。捕手のサインに首を振る場面は一度もなく、事前に決めた球種を順序通りに投げ込む姿が続いた。この日の投球練習は、次戦で終盤に空振りを奪える球へ仕上げることに置かれていた。

別レーンではスライダーの曲がり幅を調整

この日のブルペンでは、投手それぞれが異なる課題と向き合っていた。大勢はフォークボールの縦変化を安定させるため、腕の振りを変えずにリリースの指のかかりだけを調整するドリルを反復した。捕手は投球後、毎回立ち上がってボールの回転軸を確認し、投手に短い言葉で状態を伝えていた。別のレーンでは、別のリリーフ投手がスライダーの曲がり幅を調整していた。捕手の構えた位置からボールが外れると、その都度、投球動作を止めて確認する場面が続いた。

ネット裏に立つピッチングコーチは終始無言だったが、投手が自分で問題を特定し修正するプロセスを見守っていた。口を出さないことも指示の一つだった。

屋外ブルペンとトラッキング機器のデータ

2月の宮崎は、ブルペンでの投げ込みに適した気温が保たれている。この日の最高気温は15度、晴天のもとで投手陣は汗をかきながら投球を続けた。室内練習場ではなく、屋外のブルペンで風を感じながら投げられる環境が、開幕後のシーズンを想定した調整を可能にしている。サブグラウンドには投球分析用のトラッキング機器が常設されており、投手は投球直後に回転数と回転軸のデータを確認できる態勢が整っていた。

大勢はこの機器の前で、フォークボールの回転数を数値で確認しながら次の1球を投じていた。数値を確認するたびに、リリースの指の位置を微妙に変えている。投球の合間には、トレーナーと短いやりとりを交わす場面も見られたが、その内容が外部に聞こえることはなかった。

映像を見た後の3球と次戦への焦点

ブルペン脇のベンチでは、投球を終えた投手が次の投手の球筋をじっと見つめていた。派手な声出しや円陣はない。投げ終わった大勢は、ベンチに座るとタブレット端末で自身の投球映像を再生していた。隣に座る別のリリーフ投手が画面をのぞき込み、短くひと言を交わす。コーチを介さず、選手同士が映像を見ながら動作の違和感を指摘し合う。このやりとりを、ピッチングコーチは遠巻きに見ていた。指示を出すタイミングを遅らせていたのは、選手間の自律的な修正を促すためだった。

映像を見た大勢は立ち上がると、再びマウンドへ向かい、同じフォークボールを3球続けて投げた。1球目はワンバウンド、2球目は低めのボールゾーン、3球目はストライクゾーンぎりぎりに決まった。合宿最終日、ブルペンでの投げ込みを終えた投手陣は、軽いランニングでクールダウンに入った。日本代表は次戦、オーストラリア代表との強化試合を控えている。先発陣とリリーフ陣の役割分担は、この合宿の最終ミーティングで正式に伝えられる見通しだ。オーストラリア打線は長打力に特徴があり、終盤の僅差を想定した継投策が求められる。

大勢にとって、この合宿で取り組んだフォークボールの精度は、そのままオーストラリア戦の中盤以降の起用可否に直結する。35球の投球練習で得たデータと動作の調整が、実戦でどう機能するか。合宿は打ち上げたが、仕上げの��間は残されていない。次のブルペンは試合前日、相手球場のマウンドで行われる。